理学療法士としての評価と診断:痛みの原因を明らかにするプロセス
こんにちは。フィジオサロンキムラ代表の木村です。
痛みや不調を抱えていると、日常生活が一変してしまい、どこに行ってもなかなか改善しないと感じることがあるかもしれません。
そんな時にこそ、正確な診断と評価が鍵となります。痛みを取り除くための第一歩は、痛みの原因を正しく理解することです。
今回は、フィジオサロンキムラが行っている「評価」と「診断」について、少しでも皆さんに安心していただけるよう、丁寧にご説明させていただきます。
姿勢検査:体全体のバランスを確認
最初に行うのが「姿勢検査」です。私たちが日々無意識に行っている立ち方や座り方が、実は痛みの原因となっていることがあります。肩こりや腰痛が続く方も、もしかしたら全体のバランスが崩れているのかもしれません。肩や骨盤、背骨の位置を確認し、体全体がどのように負担を受けているかを明らかにします。
長く痛みを抱えている方でも、ちょっとしたバランスの改善が大きな変化をもたらすことがありますので、一緒に原因を探りましょう。
自動運動検査:痛みの出る動作を確認
次に「自動運動検査」を行い、患者さんご自身に動作をしていただきます。肩や足を動かしてもらうことで、痛みが出るタイミングや動きの制限を確認します。例えば、「足を上げると途中で痛みが出る」という場合、その角度や動作を通じて、どの部分が問題なのかを詳しく見ていきます。
患者さん自身の動きを観察することで、一緒に原因を特定し、どう対処すればよいかを考えていくプロセスはとても大切です。
他動的検査:理学療法士が関節や筋肉を動かして確認
「他動的検査」では、私が直接患者さんの関節や筋肉を動かして、痛みや動きに制限があるかを確認します。自分では気づかないような小さな違和感や硬さを見つけることができ、そこから痛みの原因を特定します。
「なんで痛いのか分からない」とお悩みの方も、しっかりと体に触れて確認することで原因が明らかになることがあります。細かいところまで丁寧に見ていきますのでご安心ください。
他動的副運動検査:微細な関節の動きをチェック
「他動的副運動検査」では、通常の動きでは見えない関節の微細な動きをチェックします。特に、関節の滑らかさや可動域を確認し、もし異常な動きがあれば、すぐに修正方法を検討します。これにより、痛みがどこから来ているのか、さらに詳しく探ることができます。
関節の不調や微細なズレも痛みの原因になることがありますので、細かく確認して最適な治療を行います。
抵抗運動検査:筋肉の強さと緊張を評価
「抵抗運動検査」では、筋肉に抵抗をかけて動かしてもらい、筋力や筋肉の異常な緊張を評価します。特に筋肉が弱っている部分や緊張しすぎている部分を見つけ出し、そこが痛みや制限の原因となっていないかを確認します。
長年の不調が筋力の低下や緊張から来ている場合も多く、ここでの評価がその後の治療方針に大きく影響します。
触診検査:痛みの原因に直接アプローチ
「触診検査」では、実際に筋肉や筋膜、神経に触れて、痛みの原因となっている硬結や緊張を確認します。触診を通じて、痛みの元を直接感じることができ、そこから治療に役立つ情報を得ることができます。
患者さんが「どこが悪いのか分からない」と感じている部分も、触診によって明らかにしていきますので、少しでも安心して治療を受けていただければと思います。
まとめ:共に痛みを乗り越えるために
痛みや不調が長引くと、「どうしてこうなったのか」「もう良くならないのではないか」と不安になることもあるかもしれません。しかし、理学療法士としての評価と診断を通じて、しっかりと痛みの原因を見つけ出し、最適な治療法を提案させていただきます。
一人で悩まず、ぜひ私たちと一緒に痛みの原因を解明し、改善への道を歩んでいきましょう。
徒手療法や理学療法に関する参考文献:
- Butler, D.S., & Moseley, G.L. (2013).Explain Pain. Noigroup Publications.
- この本は、痛みのメカニズムに関する最新の知見をわかりやすく説明しており、患者教育や痛みの管理に役立つ資料です。
- Jones, M. A., & Rivett, D. A. (Eds.). (2004).Clinical Reasoning for Manual Therapists. Churchill Livingstone.
- クリニカルリーズニングに焦点を当て、徒手療法の効果的なアプローチを学ぶための重要なテキストです。
- Cook, C.E., & Hegedus, E. (2013).Orthopedic Physical Examination Tests: An Evidence-Based Approach. Pearson Education.
- この本は、理学療法士が行うべき評価や検査法をエビデンスに基づいて解説しており、検査の信頼性と妥当性に関する情報も提供しています。
- Maitland, G.D., Hengeveld, E., Banks, K., & English, K. (2001).Maitland’s Vertebral Manipulation. Elsevier Health Sciences.
- 徒手療法における脊椎マニピュレーションの効果的な手技と評価法を学ぶための基礎的なリソースです。
- Kaltenborn, F.M., & Evjenth, O. (2002).Manual Mobilization of the Joints: The Extremities. Norli.
- 関節モビライゼーションに関する実践的な知識を提供しており、特に四肢の可動域改善に役立つ手技が網羅されています。
- McConnell, J. (1996). “The Knee: Patellofemoral and Soft Tissue Injuries.” In Athletic Injuries and Rehabilitation, Zachazewski, J.E., Magee, D.J., & Quillen, W.S. (Eds.). WB Saunders Co., pp. 711-712.
- 膝関節の痛みや機能障害に関する理解を深めるためのリソースであり、膝蓋骨の問題とその治療法を詳述しています。
- Bialosky, J.E., Bishop, M.D., & Cleland, J.A. (2010). “The Mechanisms of Manual Therapy in the Treatment of Musculoskeletal Pain: A Comprehensive Model.” Manual Therapy, 14(5), 531-538.
- 徒手療法が筋骨格系の痛みに対してどのように作用するかについての包括的なモデルを提案しており、科学的根拠に基づいた理解が得られます。